地域学の課題(3)

東京の考え方
 東京が中央と位置づけられて1世紀以上が経過したが、東京は中央であるほかに、一地域としてとらえることも重要である。中央には地方を排除する性格を含んでいるが、地域には用語のとらえ方から多様性・多元性がある。また、地方分権の推進や、関西・中部の産業発展を見ると、経済や産業の拠点が必ずしも東京という中央に集中しているわけではないのである。しかし、関西や中部の発展はそれらのごく一部の地域=都市部にすぎないという面もある。
 地域学は、中央や都市に対抗するための地域を考えるものではないし、実際にある地域学にはそのような性格は薄い。それぞれが独自性をもって発展していくものである。
 しかし、地域の歴史や文化、自然から独自の発展の可能性を探る地域学ではあるが、それ自身が先に挙げた地域格差を生むことも考えられる。地域人が歴史や文化、自然などを学習する機会を得ることができなければ、それらを誇りに思いながら発信していくことができないのである。

自治体と地域学
 全国で展開されている地域学は自治体名を冠しているところもある。自治体主導で実施される地域学の中には、その自治体によって地域があらかじめ規定されている。その自治体のみの地域学となってしまい、もともと地域の中にある多様性や多元性が薄くなっている。仮に市町村合併によって自治体名が変われば、その地域学も影響を直に受けてしまうのではないだろうか。
 しかし、茨城県関城町で開講されていた「関城学」の例を見ると、平成15年度には「地元学入門講座」を開講して、合併を迎えてよりよい魅力ある「地元」を創造していくことをその内容としていることから、市町村合併の影響を見据えた地域学・地元学を構築した。関城町は2005年に筑西市となったが、市町村合併を前にして、改めて地域・地元を考えることで、住民の地域計画への参画を促したのがこの地域学であった。
 「但馬学」や「丹波学」、「播磨学」などは、歴史的な地域の名から結びついた広域的な地域学であるが、複数の行政区域にまたがる地域学には、その地域での共通課題の解決を、地域間の協調的関係をもってすることが求められている。つまり、どの地域とどのような理由で結びつくか、それが地域学の課題である。(下図)
図10

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